会社組織で重要な従業員の
エンゲージメントとは?
向上させる効果的な方法を解説

会社組織で重要な従業員のエンゲージメントとは?向上させる効果的な方法を解説

更新日:2024年2月5日

従業員エンゲージメントとは、会社組織において従業員が自発的に会社に貢献したいと思う意欲のことです。日本企業における従業員エンゲージメントは、世界最低水準との調査結果もあり、最近よく耳にするという方もいらっしゃるでしょう。この記事では、従業員エンゲージメントの概念や、エンゲージメントを高めるメリット、注意点などを解説します。

従業員のエンゲージメントとは?

従業員のエンゲージメントとは?

従業員エンゲージメントとは、従業員が会社の企業理念に共感し、企業の業績向上のため自発的に貢献したいと思う意欲のことを指します。「従業員の企業に対する信頼の度合い」や「従業員と企業とのつながりの強さ」とも表現できます。 従業員エンゲージメントという言葉が近年注目されだしたのは、日本企業における終身雇用制度の崩壊、多様な働き方や価値観の広がり、人材不足などが要因だと言われています。コロナ禍によってテレワークが増加した結果、従業員同士のコミュニケーションが減少し、従業員エンゲージメントが低下している現実も背景にあるでしょう。 では、日本の従業員エンゲージメントは世界的に見てどんなレベルにあるのでしょうか。ギャラップ社(アメリカ)が世界139ヶ国の企業を対象にしたアンケート結果によると、日本企業の従業員エンゲージメントは132位。なんと、世界最低水準にランキングされているのです。各国の社会情勢や労働環境にそれぞれ違いがあることから、この数字はあくまでも目安として捉えるべきですが、改善すべきポイントはあるはずです。今後、企業が成長しつづけていくためには、従業員との強固なつながりが必須。そのため、従業員エンゲージメントの向上は多くの日本企業の課題となっています。

エンゲージメントと似ている言葉

従業員エンゲージメントと似た言葉に「従業員満足度」や「モチベーション」、「ロイヤリティ」などがあります。従業員エンゲージメントを正しく理解するために、混同しがちな用語との相違点を確認してみましょう。

従業員満足度

従業員満足度は「ES(Employee Satisfaction)」と言われますが、これは職場環境や人間関係、業務内容などに対する満足度の指標です。もちろん、従業員満足度を高めることも重要ですが、従業員エンゲージメントとは異なり、企業への貢献度や業務に対する意欲とは関係ありません。

モチベーション

モチベーションは「動機付け」「目的意識」「やる気」を意味する言葉です。きわめて個人的な気持ちなので、所属している企業の思いと一致するとは限りません。企業と従業員との関係性を意味する従業員エンゲージメントとは異なります。

ロイヤリティ

ロイヤリティとは、従業員の企業に対する忠誠心を意味する用語で、企業と従業員が主従となる関係を指します。一方、従業員エンゲージメントで重要となるのは、企業側の指示がなくても「自主的」に企業に貢献したいと思う気持ちがあることです。

従業員のエンゲージメント向上のメリットは?

従業員エンゲージメントのメリット

では、従業員エンゲージメントを高めることによって、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。項目別に解説していきます。

生産性が向上する

経済産業省の資料に掲載されている民間の調査結果によると、従業員エンゲージメントスコアの向上と企業の生産性や営業利益率の向上には相関関係があると認められています。この結果から、企業が成長を続けるためには、従業員と企業の信頼関係が重要だということが分かります。

モチベーションが上がる

従業員エンゲージメントの向上は、企業に対する理解や信頼が深まり「自分も会社に貢献したい」という気持ちを生む原動力になります。その結果、従業員全員が一丸となり、新しい挑戦や改善活動に勤しむようになります。このような取り組みが功を奏せば、企業の業績アップにつながり、それによって従業員のやる気はさらに増し、また新たな挑戦を行うといった好循環が生まれるでしょう。

組織が活性化する

従業員エンゲージメントが向上すると、従業員は企業理念を理解し、共感するようになります。その結果、業績の向上に対して積極的に関わり合う従業員が増え、各部署に活気が生まれます。そのような雰囲気は従業員をポジティブな思考に導くため、生産的・建設的な意見が増え、社内がより活性化していきます。

企業イメージが向上する

従業員エンゲージメントの高い企業は、必然的に信頼度の高い企業というイメージを創出します。企業イメージが向上すると、優秀な人材を集めることにも有効です。

離職率が低下する

従業員エンゲージメントの高い従業員は、離職率が低くなる傾向にあります。企業に対する理解と信頼度が高ければ、その企業を離れたくないと考える従業員が増えるのは当然と言えるでしょう。離職だけでなく、採用活動にも好影響をもたらします。離職率が低い企業は、それだけで就職活動を行っている学生や転職先を探している人に良い印象を与えます。そのような企業の従業員はそもそもパフォーマンスが高いので、採用人数を減らしても成り立ちます。採用活動のコスト低減にも大きな影響を与えるのです。

心身の健康につながる

従業員エンゲージメントが高いことは、多くの社員が生き生きと仕事に取り組み、人間関係や社内コミュニケーションが良好な企業である可能性が高いです。そのため、心身に支障をきたすようなストレスも少なく、健康的に働くことにつながっていきます。

従業員のエンゲージメントを向上させる効果的な方法

エンゲージメント向上の効果的な方法

エンゲージメントの向上によって、前項のようなメリットがあることが分かりました。それではどのような施策や取り組みをすれば、従業員エンゲージメントを高められるのでしょうか。項目別に具体例を交えながら紹介していきます。

現在のエンゲージメントを測る

まずはじめに、現在の従業員エンゲージメントがどれくらいのレベルにあるのかを把握する必要があります。基本的にはアンケートを実施し、従業員に答えてもらう方法を取りますが、そのアンケートにはさまざまな方法があります。代表的なものを以下に挙げます。

エンゲージメント総合指標……職場の推奨度を計測する「eNPS(Employee Net Promoter Score)」や今後も働き続ける意思があるかを測る「継続勤務意向」など、従業員が企業に対する評価を数値化した指標です。

ワークエンゲージメント指標……業務に対する熱量や没頭の度合いを数値化した指標です。ワークエンゲージメントを構成する「活力」「熱意」「没頭」の3要素を計測する「UWES(Utrecht Work Engagement Scale)」やストレスチェックに活用される「新職業性ストレス簡易調査票(New BJSQ)」が代表的です。

エンゲージメントドライバー指標……組織、職務、個人とそれぞれの領域で今後、従業員エンゲージメントを向上させる要因を数値で示します。

従業員エンゲージメントを向上させるためには、上記のような具体的な調査が必要ですが、目的に合った質問をしなければ本質を把握できません。客観的な視点を大切にして検証することが重要です。

理念・ビジョンの浸透

従業員が企業の方向性や目標を理解して共感するようになると、企業に対する貢献度が高まります。そのためには企業理念やビジョンを明確にした上で、浸透させることが大切です。企業が何を考え、どこを目指しているのかが曖昧な状態では、従業員エンゲージメントの向上は困難です。

職場環境の整備

職場環境が整っていないと、従業員のスキルが存分に発揮されず、従業員エンゲージメントの向上を見込めません。従業員が自分の職場環境を気に入っていると、彼らは職場での時間を楽しみにします。職場には従業員が生産的で効率的に仕事ができるように、必要なツールやテクノロジー、利便性がすべて整っていることが大切です。職場環境を整備にするのに効果的な一例が、ユニフォームの導入(もしくはリニューアル)です。企業独自のユニフォームを着用することで、従業員間の仲間意識や連帯感が生まれ、チームワークを向上させます。一体感や連帯意識も醸成でき、従業員同士の調和や集団意識の向上にも役立ちます。

ワークライフバランスの確立

仕事の後に従業員が十分に休む時間がないと、燃え尽き症候群や体調を崩すリスクが高くなり、仕事への関心やチームの生産性に影響を与える可能性があります。社会の変化や情報化によって価値観が多様化し、働き方改革も推進されているなか、ワークライフバランスを確立し、その人らしい働き方を実現できる企業であると感じられる環境整備が必要です。

コミュニケーションの活性化や改善

上司と部下が活発にコミュニケーションを取り、お互いにキャリア形成をしていく姿勢や、従業員同士が親睦を深めていくことは、従業員エンゲージメントの向上に効果的とされています。消極的で従属的な従業員の割合が多いと、従業員エンゲージメントの向上を阻害する要因となるので改善しなければなりません。

人事制度やキャリア形成の見直し

職務における成長は、継続的なエンゲージメントに不可欠です。従業員が新しいスキルを身につけ、才能を高められるように時間や場所を提供することで、従業員は自分の能力に自信を持ち、仕事の質を向上させることができます。そのためには正しい人事制度やキャリア形成を体系化することが重要です。

従業員のエンゲージメントで気を付けるポイント・注意点

従業員エンゲージメントの注意点

従業員エンゲージメントの向上は多くのメリットをもたらしますが、ポイントを押さえないと想定よりも効果がなかったり、エンゲージメントが下がってしまったりすることもあります。ここでは失敗例などをもとに、エンゲージメントを向上させる際に注意すべき点について紹介します。

エンゲージメントではなく満足度の向上で取り組む

従業員エンゲージメントと従業員満足は、似ているようで意味が違うという話をしました。従業員満足は、休みが欲しい、給料を上げてほしいなど、個人の主観に左右されやすいもの。そのため、それぞれの意向に合わせていたら、いつまで経ってもゴールが明確になりません。これでは企業が実現したい目標とはかけ離れてしまいます。

「働きがい」ではなく「働きやすさ」を意識してしまう

働きがいは、仕事の質や量について適切に評価されることで、仕事をする楽しさ、誇りを得ることです。一方、働きやすさは労働環境や福利厚生、給与制度など外的要因で判断されるもので、従業員満足につながるもの。つまり働きやすさだけを意識すると、従業員満足度は上がるものの、従業員エンゲージメントの向上に直接的に影響はありません。

企業理念を共有しない、コロコロ変える

そもそも従業員エンゲージメントとは、従業員が自社の企業理念に共感し、自発的に企業の業績向上のために貢献したいと思う意欲のことを指すので、企業理念をはじめ会社の根幹となる部分の浸透を怠ったり、コロコロ変えてしまったりしては、従業員も困ってしまいます。企業理念やビジョンなどの柱は、一度決めたら短期間で変えないことが大切です。

まとめ

従業員エンゲージメント向上まとめ

従業員エンゲージメントの向上は、優秀な人材の採用や従業員の離職率低下につながり、企業の生産力を上げるなど多くのメリットがあります。まずは自社の従業員エンゲージメントがどのレベルにあるのかを調査し、その上で課題を抽出しながら、達成すべき目標に向かって取り組んでいきましょう。同時に従来の人事評価制度や職場環境を見直すことも重要です。そのような旧態依然とした環境が残っていては、従業員からの信頼を得ることは難しいからです。従業員エンゲージメントを高めるには現状を把握し、抜本的な改善を行うことが必要です。

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よくある質問

Q.従業員のエンゲージメントとは?

従業員エンゲージメントとは、従業員が自社の企業理念に共感し、自発的に企業の業績向上のために貢献したいと思う意欲のことを指します。「従業員の企業に対する信頼の度合い」や「従業員と企業とのつながりの強さ」とも表現できます。

Q.なぜ従業員のエンゲージメントが注目されている?

従業員エンゲージメントという言葉が近年注目され出したのは、日本企業における終身雇用制度の崩壊、多様な働き方や価値観の広がり、人材不足などが要因だと言われています。コロナ禍により、リモートワークが増加した結果、従業員とのコミュニケーションが減少し、従業員エンゲージメントが低下している現実も背景にあるでしょう。

Q.従業員のエンゲージメントを向上するメリットは?

従業員エンゲージメントの向上は、企業の生産性の向上、従業員のモチベーションアップ、組織の活性化、企業イメージの向上、離職率低下など、多くのメリットがあります。

Q.従業員のエンゲージメントを向上する効果的な方法は?

従業員エンゲージメントを向上させるためには、まず企業の理念やビジョンを浸透させることが第一。その上で職場環境の整備やワークライフバランスの確立やコミュニケーションの活性化などを行うことが効果的です。

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